ナチスから逃れたユダヤ人を見殺しにできなかった優しさには納得。しかし、なぜか結婚だけは苦手な性格?~杉原千畝~
歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第58回 ~杉原千畝~
続いて、通変星、蔵干通変星から千畝の性格を読み解いていく。通変星、蔵干通変星をわかりやすく円グラフに表すと下記のようになる。
知性…様々な分野の知識が豊富で、何かを学ぶことに喜びを感じる。頭の回転が速く、物事を論理的に捉えることが上手
行動力…頭で考えるよりも行動で結果を出す。未知の分野に挑戦する意欲が強く、交渉力や営業力を磨けば成功できる
人脈…さりげない気配りができて誰とでも仲良くなれる。サービス精神が旺盛でコミュニケーション能力も高く人を動かせる。
自立心…他人に依存することなく、自分が信じた道を突き進む強い精神性。リーダーシップを発揮しフリーで活躍できる。
遊び心…楽しいことを企画する等、生活に遊びを取り入れることが自然とできる。芸術面の才能があり、表現力が豊富。
〇知性40%!(印綬・偏印)
知性は何かを学ぶことが好きで、物事を論理的に捉えるのが得意。中でも「印綬(いんじゅ)」は、学校の勉強がよくできて、幅広い知識を持っている。人に教えることも好む。先生向き。「偏印(へんいん)」は様々なアイディアが浮かび企画力がある。変わり者で個性的、海外向きの星でもある。
千畝の性格を見ると、知性が40%をも占めているように、やはり相当頭がよかったのだろう。岐阜県八百津町に生まれた千畝。父は、医師になることを進めたようだが、千畝自身は英語の教師を目指していた。医学部の受験では白紙答案を提出し、せっかく母が作ってくれたからと、弁当だけを食べて帰ってきたという。これを知った父親に叱責され、勘当同然に家を出て早稲田大学に入学。しかし、親の援助がないため、生活は相当苦しかったようだ。そんな中目にしたのが、外務省留学生試験の募集記事。外務省の費用で語学の勉強ができることに魅力を感じて猛勉強したという。相当な狭き門であったが、1919年外務省留学生試験に合格し、外交官の卵として、ロシア語の勉強をスタートさせた。(なお、もともとスペイン語を希望したようだが、人気が高かったため断念したという)最終的にロシア語はロシア人と比べてもそん色がないほどの達人となり、その他、英語はもちろん、ドイツ語、フランス語、中国語も自由に操った。教えるのが好きな性格のため、性格的には教師も向いていたのだろう。いずれにせよ、親が医者を進めるのも、早稲田大学に入るのも、外務省留学生試験に受かるのも、その頭のよさゆえだろう。
〇人脈40%!(正財・偏財)
人脈は、さりげない気配りができて誰とでも仲良くなれる星。優しい性格の持ち主。中でも、「正財(せいざい)」は重要な人物を見抜いて強い信頼関係を築ける、真面目な星。結婚運の星でもある。「偏財(へんざい)」は、幅広い人脈を持ち、ピンからキリまでお友達がいるイメージ。お人よしが過ぎて断れない性格のため、人に騙されやすい面を持つ。
ナチス・ドイツから逃れてきたユダヤ人を見殺しにできなかったのは、そのやさしさ故だろうということがよくわかる。また、人を大切にし、広く深い人脈の持ち主であったようだ。
語学の才能に恵まれた千畝だが、外交官として求められるのは、情報収集能力だ。「偉大なヒューマニスト」という部分に焦点が当たっているため、あまり認識されていないが、千畝が日本人のために命懸けで入手した情報の意義は非常に大きい。その優秀さ故だろうか、モスクワ大使館に勤務する予定だったが、異例にもソ連から拒否されている。そんな千畝が日本にもたらした最も重要な情報は、在ケーニヒスベルク総領事館で総領事代理を務めていた1941年、日本に電報で送った、「ドイツ軍がソ連侵攻の準備を極秘に進めている」というものだ。この情報は、日本外交の根幹を揺るがす大サプライスだった。当時日本は、日独伊三国同盟にソ連を加えた四国の協力でアメリカやイギリスに対抗していく方針だったが、これは、独ソ不可侵条約の締結により良好となったドイツ・ソ連関係を前提としていた。つまり、ドイツがソ連を攻撃することは、日本に対する裏切り行為に他ならない。この電報を送ったのは、実際にドイツがソ連に侵攻する1か月以上も前のことだった。歴史に「たられば」は禁物であるが、この貴重な情報を日本がうまく使いこなしドイツを過信しなければよかったのに…と勝手ながら思う。
という個人的な感想はさておき、千畝はそんな貴重な情報をなぜ得られたのだろうか。彼の人柄と人脈の賜物だろう。千畝は、ポーランドの軍人、ヤクビャニェッツ大尉とダシュキェヴィチ中尉と接触していた。ポーランドはドイツと敵対関係にあり、ドイツがいつソ連に攻め込むかの情報はのどから手がでるほど欲しいものだった。何とかドイツ領に潜入して情報を探ろうとしたが、それには信頼に足る協力者が必要になる。そこで白羽の矢がたったのが千畝だ。2人は千畝以外にあり得ないと考え、協力を依頼した。千畝の運転で3人はドイツの国境付近に車で出向き、森の中に戦車やガソリン貯蔵庫が隠されていることを確認。ドイツ兵たちの会話を立ち聞きするなどして情報を得たのだ。十二運星に「長生(ちょうせい)」を持つことと合わせて、人から信頼される人物であり、またその人脈をフル活用していたことが見て取れる。
〇遊び心30%(食神)
遊び心は、生活に遊びを取り入れることが自然とでき、芸術面での才能がある星。「食神(しょくじん)」は、おおらかで遊び好き、子どもが好きで子宝に恵まれる。楽しいことをして生活したいという、子どものような星。
外交官として、ハルビン、カウナス、プラハ等、様々な地域を渡り歩いた千畝。4人の子どもに恵まれた千畝は、よく家族を連れてドライブや旅行に出かけていたという。プラハの郊外にある、中世ボヘミア王朝、そしてイタリアのローマやベニスをたずね、スイスのアルプスを見学する長期旅行にも足を運んだ。家族でのお出かけが何よりの楽しみだったのだろう。